現在、フランチャイズ企業は全国に1300社以上、26万店舗にのぼります。
その中で、コンビニの店舗数は5万5千店以上も占めています。
では一体、コンビニ経営はフランチャイズの中でどういう位置づけになるのでしょうか。
Contents
コンビニと他のフランチャイズの違い
フランチャイズの中でのコンビニ経営の位置づけを探るにあたり、まずコンビニとその他のフランチャイズ企業との違いを詳しくご説明していきます。
社会のインフラとして欠かせないコンビニ
コンビニとそれ以外のフランチャイズの一番の違いは、
「世の中になくてはならないものか」それとも「なくても大して困らないものか」という点です。
現代の日本において、コンビニは、食品や生活必需品を調達できるという本来のあり方に加え、警察代わりの駆け込み寺、住民票申請、救急・緊急時の避難所、銀行ATMなどとして広く活用され、社会のインフラとして、なくてはならないものになっています。
一方、その他のフランチャイズは、「なくてもいい」と言うのは言い過ぎかもしれませんが、代わりになるものは多々あるのではないでしょうか。
この違いが、すべてを物語っています。
「なくてはならないもの」を経営するか「いくらでも代わりがあるもの」を経営するか……どちらが経営上安定するかは明らかですね。
流行が終わったら利用されなくなる業種というものがありますが、社会インフラとしてなくてはならないものは、基本的に流行り廃りがあまりありません。
フランチャイズは、一から独立・起業するのと比べて圧倒的に成功の確率は高いのですが、それが短期的で一過性のものでないかを検討する必要があるということです。
成長し続けるコンビニ業界
そういう角度で考えたとき、コンビニは40年以上の歴史と実績があるということもポイントです。
他のフランチャイズで40年成長し続けている企業はどれだけあるでしょうか?
20年後、30年後に、その企業が成長し続けているという保証はありません。
歴史も、実績もあり、さらに、現代の日本社会にとって必要不可欠となっているコンビニならば、フランチャイズの中でも成功しやすいといえるでしょう。
コンビニの今後の展望
これから先どうなっていくのかを細かく分析することも大切です。
コンビニ業界はこれからどうなっていくのでしょう。
飽和状態のコンビニ業界
コンビニは社会に貢献できる機能・構造を有しており、核家族化・少子高齢化が進むにつれ、今まで以上になくてならない存在になっていくと思われます。
しかし、これから先、コンビニが今までのスピードで増えていくかと尋ねられたら、「ノー」と言わざるを得ません。
それは、もう既に飽和状態に突入しているからです。
コンビニは町のあちこちにあります。
かつて「5万店で飽和状態になる」と言われていましたが、数年前に5万店は突破しています。
これ以上増えれば、お客様にとっては便利になる一方、加盟店にとっては厳しい状態になっていくでしょう。
自分の商圏に新しいコンビニができれば、当然、自分の店の売上は下がります。
実際に、ずっと右肩上がりを続けていた過去と違い、売上は現在頭打ち。
これからはさらに厳しい時代に突入していくでしょう。
新たなニーズを生み出し進化し続けるコンビニ
とは言っても、店舗が増え続ける=食っていけなくなるとは限りません。
実は、そう悲観することではないのです。
なぜなら、先ほどの予測は、「現状と全く同じ状態なら」と言う前提が付きます。
周りの環境がいつまでも変わらず、その状態で競合が増えていけば当然厳しくなりますが、時代の流れとともに社会環境は刻々と変わっていくものです。
例えば、今まで遠くても安いスーパーに買い物に行っていた人が、高齢になって遠くまで行けなくなるということがあります。そういう人は、多少高くても、近くのコンビニを考えるようになるでしょう。
また、働く女性が増加すると、比例して夕食を作る時間がないという女性も増えます。
手軽で美味しいコンビニ商品は、そういう女性たちに大いに貢献するでしょう。
これらはほんの一例ですが、社会環境の変化を見逃さなければ、新たなニーズを生み出すことができるということです。
コンビニがしっかり対応していければ、まだまだ成長の余地は残っているのです。
過去を鑑みても、コンビニはこの「変化への対応」でここまで成長してきたと言っても過言ではありません。
ただ、この変化への対応は個人では操作できません。
本部次第なのです。
本部が道を誤らなければ成長を続けられるでしょうが、その対応が充分にできない場合、どんなに才能がある人でも思いどおりの成果は得られません。
これがフランチャイズの欠点とも言えます。
過去、絶対に潰れることがないと思われてきた有名な優良企業でも、変化への対応ができずに倒産したケースはたくさんあります。
そういう意味で、フランチャイズの未来は本部次第と言うことですが、コンビニ40年以上の歴史を振り返ると、この変化への対応をしっかり行い、成長してきた側面があります。
ですから、それらを踏まえるとコンビニの未来は決して暗くないと言うのが私の考えです。
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